お役立ちコラム

COLUMN

自動車整備リフトの導入に使える補助金|カタログ注文型が使えない理由と「一般型」での進め方【2026年最新】

 

整備リフトの新調や増設は、機種や設置工事の内容によってはまとまった投資になります。この負担を軽くする手段が、国の設備投資・省力化に関する補助金です。

 

ただし、リフトについては最初に押さえておくべき事実が2つあります。ひとつは、省力化投資補助金には「カタログから選ぶだけ」という手軽な枠(カタログ注文型)がありますが、そこに自動リフトは登録されていないこと。もうひとつは、残る「一般型」もリフトを1台入れるだけでは対象にならないことです。

 

本記事では、その理由と、一般型で申請する場合の要件・補助額・進め方を整理します。

結論|整備リフトは「省力化投資補助金の一般型」で狙う。ただし単体導入は不可

 

カタログ注文型に「リフト」の登録カテゴリはない

中小企業省力化投資補助金には、あらかじめ登録された製品から選ぶだけで申請できる「カタログ注文型」があります。販売事業者が申請をサポートしてくれ、随時申請できるため、補助金に不慣れな事業者でも使いやすい枠です。

 

ただし、この枠で補助対象になるのは、公式の「製品カタログ」に登録されたカテゴリの製品に限られます。そして最新の製品カテゴリ一覧(2026年8月27日版)に、自動車整備用リフトのカテゴリはありません。タイヤチェンジャー、ホイールバランサー、エーミング(ADAS校正)機器も同様に登録がありません。

 

つまり、「カタログ注文型でリフトを買う」という選択肢は、現時点では存在しません。

 

整備業向けに登録されているのは溶接機・洗車機・フロンガス回収装置など

では、カタログ注文型で整備工場が使える製品は何か。製品カテゴリ一覧の「自動車整備」分類には、次の9カテゴリが登録されています(2026年8月27日版)。

 
カテゴリ登録製品数主な対象業種業務領域
自動調色システム7件サービス業(他に分類されないもの)、小売業アフターサービス
自動車向け溶接機(スポット溶接機)19件自動車整備業整備・修理
自動車向け溶接機(パルス制御溶接機)0件自動車整備業整備・修理
自動車向け塗装ブース1件自動車整備業、小売業整備・修理
自動車両洗浄機24件運輸業、小売業、製造業、自動車整備業ほか洗車・洗浄
自動車用全自動フロンガス回収・充填装置13件自動車整備業、小売業整備・修理
エアコンシステム内自動洗浄装置0件自動車整備業、運輸業、小売業整備・修理
自動変速機フルード下抜き交換装置0件自動車整備業、運輸業、小売業整備・修理
ファイバーレーザー溶接機0件自動車整備業、製造業整備・修理、加工・生産
 

鈑金・塗装まわりと、洗車・フロンガス・ATF交換といった作業の自動化に寄った顔ぶれです。これらの設備を導入するならカタログ注文型が最短ルートですが、リフトは含まれません。カテゴリが登録されていても製品登録が0件のものがある点にも注意が必要です。なお製品カテゴリと登録製品は随時追加されるため、申請前には必ず最新の一覧を確認してください。

リフトを狙うなら一般型(オーダーメイド)。ただし「単体導入」は対象外

カタログにない設備でも、省力化投資補助金の「一般型」なら申請の余地があります。一般型は、個々の現場や事業内容に合わせたオーダーメイド・セミオーダーメイドの設備導入・システム構築を支援する枠です。

 

ここで重要なのが、一般型が支援対象としている「オーダーメイド設備」の定義です。公募要領では、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムと定義されています。そして対象外事業として、「汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業」が明記されています。

 

リフトそのものは汎用設備です。したがって、「リフトを1台買い替える」という計画では通りません。一方で公募要領には、次の但し書きがあります。

 

 

汎用設備でも「オーダーメイド設備」とみなされるケース

 

導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、
搭載する機能等が変わる場合、または汎用設備を組み合わせて導入
することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが
可能である場合には、オーダーメイド設備であるとみなし、
本事業の対象となります。(一般型 第8回公募要領より)

 


 

つまりリフトで一般型を狙うなら、リフト単体ではなく、複数台や周辺機器・管理システムと組み合わせた「省力化の仕組み」として設計することが前提になります。

 

加えて一般型は公募回制で締切があり、詳細な事業計画書の作成が必須です。要件も後述のとおり軽くありません。「手続きが簡単だから補助金を使う」ではなく、「必要な投資なので計画を作り込んで申請する」という姿勢が前提になります。

 

申請前に押さえる3つの前提

 

前提1|補助金は「後払い(精算払い)」

補助金は、先に自社の資金で設備を購入・支払いをし、実績を報告したうえで、後から一部が交付されます。還付のように手続きすれば自動的に戻るものではなく、審査と実績報告を経て初めて交付されるものです。導入時には自己資金や融資などの「つなぎ資金」が必要になります。

前提2|補助率とは別に「上限額」がある

補助率は制度により1/2〜2/3ですが、いずれも「上限額の範囲内で」という条件が付きます。たとえば補助上限750万円の区分で、リフト2台と付帯工事に1,800万円かけた場合、補助率1/2なら計算上は900万円ですが、実際に交付されるのは上限の750万円までです。「補助率」と「上限額」の両方を必ず確認してください。

前提3|交付決定前の発注は対象外

ほとんどの補助金では、交付決定(採択通知)を受ける前に発注・契約した経費は補助の対象外になります。「採択されそうだから」と先に発注してしまうと、たとえ採択されても補助を受けられません。

 

※補助金全体の基本的な考え方(対象者の定義、申請の全体像、よくある失敗)は、関連記事「自動車整備工場が使える補助金一覧」で詳しく解説しています。

本命|中小企業省力化投資補助金(一般型)

 

人手不足の解消や作業の効率化を目的とした設備投資を支援する制度で、リフト導入との相性が最も良い補助金です。第8回公募の要領が2026年8月18日に公開され、申請受付は2026年9月中旬、締切は10月中旬、採択発表は2027年2月上旬が予定されています(いずれも公募要領公開時点の予定)。

補助率と補助上限額

一般型の補助上限額は従業員数によって決まります。カッコ内は大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用した場合の額です。

 
従業員数補助上限額(大幅賃上げ特例適用時)
5人以下750万円(1,000万円)
6〜20人1,500万円(2,000万円)
21〜50人3,000万円(4,000万円)
51〜100人5,000万円(6,500万円)
101人以上8,000万円(1億円)
 

補助率は次のとおりです。

 
補助対象者補助率
中小企業1/2(最低賃金引き上げの特例適用時は2/3)
小規模企業者・小規模事業者、再生事業者2/3
 

中小企業が2/3になる「最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例」は、2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あることが条件です。単に賃上げをすれば適用されるものではありません。なお小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は、もともと2/3のためこの特例による引き上げはありません。

 

ここで注意したいのが「小規模事業者なら2/3」は一般型に限った話だという点です。カタログ注文型の補助率は従業員規模にかかわらず一律1/2以下で、小規模事業者の引き上げはありません。カタログ注文型の上限額は次のとおりです。

 
従業員数補助上限額(大幅な賃上げを行う場合)補助率
5人以下500万円(750万円)1/2以下
6〜20人750万円(1,000万円)1/2以下
21人以上1,000万円(1,500万円)1/2以下

※上記は2026年3月19日の制度改定後の金額です。改定で従業員20人以下の区分が引き上げられました(5人以下は200万円→500万円、6〜20人は500万円→750万円)。改定前の金額を載せたままの解説記事も残っているため注意してください。あわせて「大幅な賃上げ」の定義が事業場内最低賃金の45円以上増加から3.0%以上増加に変わり、収益納付が撤廃され、申請受付期間が2027年3月末頃まで延長されています。2回目以降の交付申請では、累計補助上限額(各申請時点の補助上限額×2)や追加要件が設けられています。

 

自社が「小規模事業者」に当たるかどうかも確認が必要です。一般型の公募要領では、製造業その他・宿泊業・娯楽業は常勤従業員20人以下、卸売業・小売業・サービス業は5人以下と定められています。自動車整備業はサービス業に区分されるため、常勤従業員5人以下が2/3の条件になります。なお特定非営利活動法人・社会福祉法人・医療法人は、従業員20人以下であれば補助率2/3です。

 

出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)

出典:中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)

要件は軽くない|基本要件と賃上げ

一般型を検討するなら、要件の重さを先に把握しておく必要があります。3〜5年の事業計画を策定し、以下をすべて満たすことが求められます。

 

労働生産性の年平均成長率+4.0%以上を、事業計画期間において毎年、基準年度と比較して達成すること

 

・事業計画期間終了時点で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上(日本銀行が定める「物価安定の目標」+1.5%)を達成すること

 

・事業計画期間において毎年、事業場内最低賃金を事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準とすること(最低賃金引き上げ特例の適用事業者はこの要件の対象外)

 

・従業員21名以上の場合、交付申請時までに次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」に公表すること

 

これに加えて、次の要件も課されます。

 

省力化指数(設備導入により削減される業務時間のうち、実際に削減できる割合)を計算した事業計画を策定すること

 

・事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出すること

 

・3〜5年の事業計画期間内に、基準年度と比較して付加価値額が増加する事業計画を策定すること

 

目標が未達の場合は補助金の返還を求められます。1人当たり給与支給総額が未達なら達成率に応じた額、事業場内最低賃金が未達なら補助金額を事業計画年数で除した額が返還対象です。年平均成長率が0もしくはマイナスの場合は全額返還となります。

 

さらに補助上限額を引き上げる「大幅な賃上げの特例」を使う場合は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上(基本要件の3.5%に加えて+2.5%以上)、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上という、さらに高い水準が求められます。

 

つまり一般型は、「リフトを入れて作業を楽にしたい」だけでは通りません。設備投資によって生産性がどれだけ上がり、その成果を賃上げにどう回すのかを、数値で約束する制度です。この負担を許容できるかどうかが、申請の是非を分ける最初の分岐点になります。

申請できない事業者・対象にならない経費

次に当てはまる事業者は申請できません。

 

・本事業に応募申請・交付申請中の事業者、および交付決定を受けて事務局からの補助金支払が完了していない事業者

 

・「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」「中小企業新事業進出補助金」の交付決定を受け、応募申請時点で補助金支払が完了していない事業者

 

・応募申請日を起点に過去3年間で、上記3つの補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者

 

・みなし大企業(大企業が発行済株式の1/2以上を所有、直近3年の課税所得の年平均額が15億円超など)

 

経費面では、機械装置・システム構築費が必須で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資を1つ以上含む必要があります。また「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」に係る経費、汎用性があり目的外使用になり得るものの購入費、中古品購入費は対象外です。機械装置・システム構築費以外の経費は、総額500万円(税抜)が補助対象経費の上限になります。

 

事業実施期間は交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)です。

リフト導入で事業計画書に書くこと

一般型の審査では、省力化効果をどれだけ具体的に示せるかが評価を左右します。リフト導入の場合、たとえば次のような整理が考えられます。

 

・現状:旧型リフトのため車両の入替に時間がかかり、1台あたりの段取りに◯分を要している

 

・課題:ピット待ちが発生し、1日あたりの入庫可能台数が◯台で頭打ちになっている

 

・導入後:リフト2台体制と周辺機器・作業動線の見直しにより、段取り時間を◯%短縮、1日あたり入庫台数を◯台に増加

 

・結果:年間の付加価値額が◯円増加し、労働生産性の年平均成長率4.0%以上を達成

 

ポイントは、すべての「◯」に自社の実データを入れられるかです。感覚値ではなく、作業時間や工数の実績値が必要になります。

 

あわせて、単なる設備の入れ替えではなく「複数の設備・システムを組み合わせた省力化の仕組み」として描けているかが問われます。なお、カタログ注文型の製品カタログに登録されているカテゴリに該当する製品を一般型で導入する場合は、審査の際に考慮される旨が公募要領に明記されています。

一般型が合わないときの選択肢

 

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

2026年度に、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と「中小企業新事業進出補助金」を再編する形で新設された補助金です(公式サイトでは、これら2つとは別の補助金である旨が明記されています)。第1回公募は2026年6月29日に開始され、応募締切は2026年10月30日(金)18:00です。枠は3つあります。

 
補助率補助上限額(賃上げ特例適用時)補助下限額
革新的新製品・サービス枠中小企業者1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)/小規模企業・小規模事業者、再生事業者2/3750万〜2,500万円(850万〜3,500万円)100万円
新事業進出枠中小企業者1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)2,500万〜7,000万円(3,000万〜9,000万円)750万円
グローバル枠中小企業者2/3(一律)2,500万〜7,000万円(3,000万〜9,000万円)750万円
 

※上限額は従業員規模により変動します。新事業進出枠・グローバル枠では建物費も補助対象ですが、革新的新製品・サービス枠では対象外です。

 

注意したいのが補助下限額です。新事業進出枠・グローバル枠は補助下限が750万円で、補助率1/2なら1,500万円以上の補助対象経費が必要になります。整備工場のリフト投資でこの規模に届くケースは多くありません。

 

また、革新的新製品・サービス枠は「既存の製品・サービスの生産等のプロセスについて改善・向上を図る事業は補助対象外」と公募要領で明記されています。既存作業の効率化のためにリフトを更新する、という目的では審査に合致しません。リフト導入が新しいサービス展開(対応車種の拡大、新分野への進出など)を伴う場合に検討する制度と位置づけるとよいでしょう。

 

要件としては、補助事業終了後3〜5年の事業計画において、付加価値額の年平均成長率+4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上高い水準、のすべてを満たす必要があります。

 

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓や、それに伴う設備投資を支援する制度です。補助率は2/3以内(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4以内)、補助上限は通常50万円で、インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)の併用で最大250万円になります。第20回公募の申請受付は2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は12月4日(金)です。

 

リフト本体も「機械装置等費」として対象になり得ますが、上限額から見てリフト導入の主軸にはなりにくい制度です。集客施策とあわせた小規模な設備投資を考える場合の選択肢と考えてください。なお「小規模事業者」の定義や、広報費・ウェブサイト関連費の上限(第20回公募ではそれぞれ税込30万円・単独申請不可)といった共通ルールは、関連記事「自動車整備工場が使える補助金一覧」にまとめています。

 

出典:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>

出典:商工会地区 小規模事業者持続化補助金

リフト以外の設備ならカタログ注文型も

前述のとおり、スポット溶接機・塗装ブース・洗車機・フロンガス回収充填装置などはカタログ注文型に登録されています。「今期はリフト、来期は溶接機」といった順序で設備投資を計画しているなら、リフトは一般型、溶接機はカタログ注文型と使い分けるのが現実的です。カタログ注文型は随時申請でき、販売事業者と共同で申請するため、手続きの負担は一般型よりはるかに軽くなります。

 

公募が始まる前の
\ 早めに相談がポイント! /

 
 

【目的別】どの補助金を選ぶ?

 
目的・状況候補となる補助金ポイント
人手不足の解消・作業効率化のためにリフトを導入・増設したい中小企業省力化投資補助金(一般型リフトの本命。ただしリフト単体では対象外で、周辺機器・システムとの組み合わせが前提。労働生産性CAGR4.0%などの定量目標と賃上げ要件があり、事業計画書の作成負担は大きい
溶接機・塗装ブース・洗車機など、カタログ登録済みの設備を導入したい中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型手続きが軽く随時申請可。補助率は一律1/2以下。リフト・タイヤチェンジャー等は登録がないため対象外
新しいサービス・対応領域の拡大を伴う投資をしたい新事業進出・ものづくり商業サービス補助金上限は大きいが、革新性・新事業性の審査と高めの賃上げ要件がある。新事業進出枠・グローバル枠は補助下限750万円
販路開拓(集客)とあわせて小規模な設備投資をしたい小規模事業者持続化補助金上限250万円。設備単体より販路開拓とセットの計画向き

整備リフトの種類と費用の目安|補助でどのくらい軽くなる?

 

リフトの種類と用途

整備リフトには、省スペースで扱いやすい2柱リフト、車体を安定して支えられる4柱リフト、シザース(パンタグラフ)式などがあり、作業内容や工場のスペースに応じて選びます。シザース式には床に埋め込む埋込式と、必要なときに移動して使える可搬式の両方があります。大型車対応か、複数台の同時作業を想定するかによっても選定は変わります。

費用が大きく変わるポイント

リフトの費用は「本体価格+設置工事費」で決まり、同じ2柱リフトでも条件によって金額は大きく動きます。見積りを取る前に、次の点を整理しておくと比較しやすくなります。

 

対応車種と能力:一般乗用車までか、1BOX・小型トラックまで対応するか

 

・設置方式:門型・低床型・埋込式・可搬式のいずれか。埋込式は床の掘削工事が発生します

 

・建屋の条件:天井高、床のコンクリート厚と強度、必要な補強工事の有無

 

・電源:三相200Vの引き込みが済んでいるか、新たに工事が必要か

 

・台数と配置:複数台導入する場合の作業動線と、ピット・既存設備との干渉

 

補助金の申請では見積書の提出が求められます。金額は現地の状況を踏まえた見積りが前提になるため、公募開始を待たずに早めに取得しておくのが確実です。

補助でどのくらい実質負担が軽くなるか

一般型を使った場合の規模感を、従業員10名の整備工場を例に整理します。

 
項目内容
投資内容自動リフト2台+タイヤチェンジャー+周辺機器・設置工事を組み合わせた省力化設備
補助対象経費(総額)600万円
補助率1/2(中小企業の場合)
補助額300万円
実質負担300万円
該当する補助上限額1,500万円(従業員6〜20人の区分)
 

この例では投資額が上限額を下回るため、補助率どおり1/2が交付されます。一方、投資額が大きくなり補助額が1,500万円を超える規模になると、上限で頭打ちになります「投資額の半分が必ず交付される」わけではない点はあらためて意識しておきましょう。

 

なお、この例が対象になるのは、リフト単体ではなく複数の設備を組み合わせた省力化の仕組みとして計画を立てられる場合です。また小規模事業者に該当すれば補助率は2/3に上がりますが、サービス業では常勤従業員5人以下が条件のため、従業員10名の工場が自動的に2/3になるわけではありません。

申請の流れと「交付決定前の発注はNG」

 

一般的な流れは、①GビズIDプライムの取得・公募要領の確認 → ②事業計画書の作成・電子申請 → ③採択発表 → ④交付申請・交付決定 → ⑤発注・導入 → ⑥実績報告 → ⑦補助金の交付(精算)です。制度によって細部は異なるため、必ず各事務局の公募要領を確認してください。GビズIDプライムの取得には一定の期間がかかるため、早めに手続きを始めてください。

 

整備工場が補助金でつまずく最も多い原因が、交付決定を受ける前にリフトを発注・契約してしまうことです。この場合、たとえ採択されてもその経費は対象外となります。設備は「必ず交付決定を受けてから発注する」ことを徹底してください。

 

また、補助金は後払いのため、導入時にはいったん全額を自社で支払う必要があります。自己資金や金融機関の融資など、つなぎ資金の準備もあわせて計画しておくと安心です。なお資金を金融機関から調達する予定がある場合は、金融機関による事業計画の確認書の提出が必要になります。

 

※各ステップの詳細や必要書類は、関連記事「自動車整備工場が使える補助金一覧」で解説しています。

採択率を高めるためのポイント

 

省力化指数を数値で示す。「リフト操作・段取りにかかる時間を◯%削減」「1台あたりの作業時間を◯分短縮」など、労働生産性の年平均成長率4.0%という目標に接続できる形で書く。

 

「単体導入ではない」ことを計画上で示す。複数の設備や管理システムを組み合わせ、どの工程がどう自動化・効率化されるかを描く。

 

現状の課題と改善後の姿を、根拠のある数値でつなげる。属人化、残業、旧型設備による低い生産性といった課題を、実績データで裏づける。

 

賃上げ計画を無理のない水準で組む。目標未達は返還につながるため、達成できる計画を立てる。

 

公募開始前から準備を進める。設備の見積り取得は、公募が本格化すると時間がかかることがあるため早めに動く。

設備投資を機に、見積・請求業務のデジタル化も

 

ここまで繰り返してきたとおり、一般型で採択されるには「定量的な省力化効果」が欠かせません。そして、その効果を示すもとになるのが、作業時間や工数の実績データです。

 

一般型は労働生産性の年平均成長率4.0%という目標を掲げ、3〜5年の事業計画期間にわたって効果報告が求められます。申請時に省力化指数や投資回収期間の根拠となる数値を出せることに加え、採択後も継続して数値を追える体制が必要になります。整備管理ソフトで日々の作業記録を残していれば、事業計画書の根拠づけにも、採択後の実績報告・効果報告にも、そのまま使える数値をスムーズに出せます。設備投資の準備と、業務システムの整備は、実は一本の線でつながっています。

 

こうした整備ソフトや見積システムの導入費用は、「デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)」の対象となる場合があります。ただしこの補助金は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請する仕組みです。どの事業者を通じて申請するかで手続きが変わるため、相談先を選ぶ際は登録の有無を確認しておくと安心です。

 

出典:デジタル化・AI導入補助金2026

 

株式会社トランターでは、整備管理の「ドリームパワー」、鈑金・事故車見積りの「コグニセブン」を提供しています。見積りから請求、顧客管理までを効率化でき、OBD検査や法定制度の改正にも対応します。導入前のお見積り・ご相談は無料です。

 

 

相談のタイミングは「公募が始まる前」がおすすめです

 

一般型は公募回制で締切があり、
事業計画書の作成にも時間がかかります。

 

さらに交付決定前の発注は対象外です。
公募前に相談・計画づくり → 申請 → 採択・交付決定 → 契約・導入
という流れを踏むことで、機会を逃さず、
無理のないスケジュールで進められます。

 

設備投資と業務のデジタル化を検討中でしたら、
計画段階の今こそご相談ください。

 

公募が始まる前の
\ 早めに相談がポイント! /

 
 

よくある質問(FAQ)

 

Q. 整備リフトは補助金で導入できますか?

A. 条件次第です。省力化投資補助金の「カタログ注文型」には自動リフトの登録がないため、「一般型(オーダーメイド)」での申請が基本になります。ただし一般型でもリフトを単体で導入する事業は対象外で、複数の設備や周辺機器・システムを組み合わせて高い省力化効果を生む計画であることが求められます。事業計画書の作成が必要で、労働生産性の年平均成長率4.0%といった定量目標も課されます。

 

Q. 省力化投資補助金のカタログ注文型に、自動リフトはありますか?

A. いいえ。2026年8月27日版の製品カテゴリ一覧に自動リフトの登録カテゴリはありません。タイヤチェンジャー、ホイールバランサー、エーミング機器も同様です。整備業向けに登録されているのは、スポット溶接機、塗装ブース、洗車機、フロンガス回収・充填装置などです。製品カテゴリは随時追加されるため、最新の一覧は公式サイトでご確認ください。

 

Q. リフト1台の買い替えでも一般型は使えますか?

A. 使えません。一般型の公募要領は「汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業」を対象外と明記しています。導入環境に応じて周辺機器や構成が変わる場合、または複数の設備を組み合わせてより高い省力化効果を生み出す場合に、オーダーメイド設備とみなされて対象になります。

 

Q. リフト導入ではどの補助金を選べばよいですか?

A. 効率化・省力化が主目的なら省力化投資補助金の一般型が本命です。新しいサービス展開を伴うなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、集客とあわせた小規模投資なら小規模事業者持続化補助金が候補になります。ただし後者2つはそれぞれ審査の観点と上限額が大きく異なります。

 

Q. 整備工場は小規模事業者として補助率3分の2になりますか?

A. 一般型であれば、小規模企業者・小規模事業者に該当すれば補助率2/3が適用されます。自動車整備業はサービス業に区分されるため、常勤従業員5人以下が条件です。また、カタログ注文型の補助率は一律1/2以下で、小規模事業者の引き上げはありません。

 

Q. 一般型の補助率が2/3に上がる「特例」とはどんな条件ですか?

A. 最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例です。2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あることが条件で、単に賃上げをすれば適用されるものではありません。

 

Q. 補助金でリフトを買うとき、先に発注してもよいですか?

A. いいえ。交付決定を受ける前に発注・契約すると対象外になります。必ず交付決定後に発注してください。

 

Q. 省力化投資補助金の一般型で車両は購入できますか?

A. できません。公募要領で「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」に係る経費は対象外と定められています。リフトなどの機械装置・器具備品は対象になり得ます。

 

Q. 過去に補助金を受けていると申請できませんか?

A. 一般型では、本事業に応募・交付申請中の事業者や、交付決定を受けて補助金の支払が完了していない事業者は申請できません。また「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」「中小企業新事業進出補助金」について、支払が完了していない場合や、過去3年間に合計2回以上の交付決定を受けている場合も申請できません。

 

まとめ|リフトは「一般型」、それ以外の設備は「カタログ注文型」

 

・省力化投資補助金のカタログ注文型に自動リフトの登録はない。タイヤチェンジャー、ホイールバランサー、エーミング機器も同様。

 

・リフトを狙うなら省力化投資補助金の一般型(オーダーメイド)が本命。補助率は中小企業1/2(最低賃金引き上げの特例で2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3で、補助上限は従業員規模により750万〜8,000万円。

 

・ただしリフトを単体で導入する事業は対象外。複数の設備や周辺機器・システムを組み合わせ、オーダーメイドの省力化の仕組みとして設計することが前提。

 

・一般型は労働生産性の年平均成長率4.0%以上、給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金+30円以上、未達時の返還義務といった要件があり、準備の負担は軽くない。数値で語れる事業計画が前提。

 

・溶接機・塗装ブース・洗車機・フロンガス回収装置などはカタログ注文型に登録がある。設備ごとに枠を使い分けるのが現実的。カタログ注文型は2026年3月19日の制度改定で従業員20人以下の上限額が引き上げられている点も押さえておきたい。

 

・補助金は後払いで、補助率のほかに上限額がある。交付決定前の発注は対象外。

 

・設備投資を機に整備ソフトなど業務のデジタル化も進めておくと、一般型で求められる省力化指数や投資回収期間の根拠づくりにそのまま使える。

 

リフト投資は、資金計画と制度選びを丁寧に行えば、負担を大きく抑えられます。設備投資と業務のデジタル化のご相談は、株式会社トランターまでお気軽にお問い合わせください。

 

公募が始まる前の
\ 早めに相談がポイント! /

 
 

出典

中小企業省力化投資補助金(一般型)

一般型 第8回公募要領(PDF)

一般型 資料ダウンロード

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)

製品カタログ(カタログ注文型)

製品カテゴリ一覧(PDF)

中小企業庁「中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開しました」

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>

商工会地区 小規模事業者持続化補助金

中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)の公募要領を公開しました」

デジタル化・AI導入補助金2026